インプラント
インプラント治療とは
インプラント治療とは、歯の抜けた部分のあごの骨に、インプラント(人工歯根)を埋め込み、人工の歯をその上に装着する治療法です。歯が無い部分がある方、抜歯しなければならない歯がある方、全く歯がない方まで、全ての方がインプラント治療の適応となります。インプラント治療では天然歯にある歯根膜は再現できません。歯根膜は歯根と歯槽骨をつなぐ繊維性結合組織で、「噛み応え」を感じ、噛む力を調整する役割があります。歯根膜は再生できませんが、インプラント周囲の歯肉、粘膜、骨で噛み心地を感じることはできます。
歯を失った方へ
歯を失ってしまった場合の治療には、主に3つの選択肢があります。「ブリッジ治療」「入れ歯治療」「インプラント治療」です。「インプラント治療」のメリットを他の治療と比較してご紹介します。
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ブリッジ治療
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入れ歯治療
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インプラント治療
ブリッジ治療との比較
インプラント | ブリッジ | |
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治療について | 外科手術が必要。治療期間が長い。 | 手術は必要ない。短期間で作成できる。 |
費用 | 自由診療なので治療費は自己負担。 ※保険適用外 |
保険適用。 |
適応症 | 顎の骨が十分にあること。 | 支える歯があること。 |
審美性 | 天然歯(自分の歯)と同じような美しい歯を取り戻すことができる。 | 保険診療の場合、部位によっては銀歯になる。 |
周囲の歯への影響 | 他の歯への影響はほとんどない。 | 隣接する2本の歯は健康であっても削る必要がある。 |
違和感 | ほとんどない。 | 少ない。 |
噛む力 | 天然歯と同程度の咀嚼能力まで回復する。 | 天然歯に近い咀嚼能力まで回復する。 |
寿命 | 10年 | 7~8年 |
清掃 | 丁寧に歯磨きを行う。 | 歯ブラシと歯間ブラシやデンタルフロスを 併用した丁寧な歯磨きを行う。 |
入れ歯治療との比較
インプラント | 入れ歯 | |
---|---|---|
治療について | 外科手術が必要。治療期間が長い。 | 手術は必要ない。短期間で作成できる |
費用 | 自由診療なので治療費は自己負担。 ※保険適用外 |
保険適用。 |
適応症 | 顎の骨が十分にあること。 | ほとんどの症例で適用。 |
審美性 | 天然歯(自分の歯)と同じような美しい歯を取り戻すことができる。 | 口を開けると留め金が見える。 |
周囲の歯への影響 | 他の歯への影響はほとんどない。 | バネをかける歯に負担がかかる。 清掃性が悪くなり支えている歯の健康を損なう可能性がある。 |
違和感 | ほとんどない。 | 生じやすい。 |
噛む力 | 天然歯と同程度の咀嚼能力まで回復する。 | 咀嚼能力が大きく低下する。 |
寿命 | 10年 | 4~5年 |
清掃 | 丁寧に歯磨きを行う。 | 食事ごとに清掃が必要。 |
サージカルガイドを使用し安全な手術を
インプラント手術の際に、歯肉とあごの骨にインプラントを埋入する穴を開ける工程があります。その際に専用のドリルを使用するのですが、ドリルが少しでもぶれてしまったり、角度が違ってしまうと、大変なことになってしまいます。
それを防ぐのがサージカルガイドシステムです。左の写真のように、マウスピース状のものです。 3次元の画像(CT)を元に行った徹底した術前シミュレーションを行い作成します。ドリルを開ける位置に正確に穴があいており、そこにドリルを入れることで、ドリルが固定され理想的な埋入を確実に行うことができます。
インプラント治療の流れ
01 問診・カウンセリング
お口の中に問題がないか診察します。
丁寧なヒアリングを行いどのような回復を望まれるのかご相談を伺います。
02 検査
お口や顎、お身体の状態をより的確に確認・把握するために、レントゲン写真や口腔内写真を撮影し、血液やお身体の検査を行います。
03 治療計画
検査結果をもとに、インプラントの本数、治療にかかる期間、費用などについて治療計画をわかりやすくご説明いたします。インフォームドコンセントを徹底し、患者さまが理解・納得された上で治療を開始します。
04 口腔内を整える
必要に応じて虫歯や歯周病の治療を行い、口腔内の環境を整えます。歯が多く失われていて顎の骨が少ない場合は顎の骨を再生させる治療を行います。
05 インプラント埋入手術
お口や顎、お身体の状態をより的確に確認・把握するために、レントゲン写真や口腔内写真を撮影し、血液やお身体の検査を行います。
06 メインテナンス
インプラント手術後のトラブルで最も多いのが、インプラントの周りで進行する歯周病です。そのため治療後は定期的なメインテナンスとご自身での日々のケアが必要です。3ヶ月~1年に1回を目安にメインテナンスを受けていただき、毎日の正しいホームケアも指導します。治療後もお口の健康を維持し、快適に使っていただくためにも是非定期検診にお越しください。
インプラントの種類
KYOCERA
POIインプラント
国産インプラント・日本メディカルマテリアル社(JMM)のインプラントです。日本人向けに開発されており、日本人の顎の大きさや骨の性状を考慮して作られています。
CAMLOG
カムログ・インプラントシステム
IMZが開発した比較的新しいインプラントシステムです。上部構造が緩みにくいため、治療中にトラブルが出にくい特徴があります。
Implant Direct
Legacy(レガシー)インプラントシステム
人間の歯の根の形に似た先端にいくほど細くなる構造で、骨の切削量が最小限で済みます。表面に人間の骨になじみやすいハイドロオキシアパタイトがコーティングされ、従来より短期間で骨に結合します。
bicon
bicon(バイコン)インプラント
20年の臨床実績と35年の研究開発の実績を持つ、歴史のあるインプラントシステムで、日本や欧米をはじめ世界中で使用されています。シンプルな構成で最低限のメンテナンスのみで済むため、患者様の負担を軽減します。