歯周病の治療
歯周病の治療
このような症状がある場合、特に歯周病が進行している可能性があります。早めに歯科を受診されることをお勧めします。
こんな症状あてはまりませんか?
- ・歯ぐきが赤い・ブヨブヨしている
- ・歯茎が後退して歯が長く見える
- ・歯と歯茎の境目から膿が出ている
- ・歯がグラグラする
- ・歯周ポケットが6mm以上ある
- ・朝、口の中がネバネバして、血の味がする
- ・歯石が大量に付着している
- ・口臭がきつい
- ・歯茎から出血する
歯周病の検査
レントゲンによる歯槽骨などの確認
レントゲン撮影をして歯槽骨の破壊状態を確認します。
プロービング(歯周ポケット検査)
歯周病の進行状態をみるうえで欠かせないのが、「プロービング(歯周ポケットの診査)」です。プロービングを行うことにより、「歯周ポケットの深さ」と「出血の有無」を確認でき、「炎症の存在」と「歯周病の進行度」が分かります。X線写真だけでは把握できない頬舌側の歯槽骨吸収などの状態をプローブで探って判断します。
歯周病の基本治療
1.ご自身で行うプラークコントロール
「プラークコントロール」とは、歯周病の原因となる「歯垢(プラーク・バイオフィルム)」を「作らせない・留まらせない」ためのものです。せっかく歯科医院で定期メインテナンスを受けていたとしても、日常がプラークだらけのお口のままでは良い治療結果は期待できません。
正しいハミガキ方法の指導(TBI=トゥースブラッシングインストラクション)
歯周病の治療は、歯科衛生士や歯科医師だけでは全てを解決することは難しい治療です。ご自身による日常ケアは、歯科衛生士や歯科医師によるメインテナンスや治療と同じく重要です。
TBIでは、日常のセルフケアのため、歯科衛生士が、それぞれの患者様のお口の状態にあった、「1本1本の歯をしっかりと磨ける方法」をご指導いたします。薬剤を使用し、プラークを染め出すことで、より上手な磨き方を身につけていただきます。
2.スケーリング(歯肉上の歯石除去)
「スケーリング」とは、「歯ぐきから見える部分(歯肉縁上)」の歯石や汚れを、
超音波スケーラーという専用の器具などで器械的に除去することです。歯石は、軽石のようにたくさんの穴がある構造のため、汚れが停滞しやすく、歯周病菌増殖の温床となるため、除去が必要です。歯肉縁上の歯石を除去した後は、数週間おいて歯の周りの再検査を行い、歯周病の状態を確認します。軽度の歯周病の場合は、歯茎から上部分の歯石の除去と、適切なプラークコントロールで、完治することがほとんどです。
3.ルートプレーニング(歯茎より見えない部分の歯石除去)
歯肉縁上の歯石を除去した後、歯の周りの再検査によって「歯茎より下の見えない部分(歯肉縁下)」の歯石がある場合は、「スケーリングおよびルートプレーニング(SRP)」を行います。炎症により歯の周りの組織が破壊されて露出したセメント質は、粗造な構造で、プラークが入り込みやすい状態です。
器具でセメント質を平らにすることで、プラークを付きにくくし、歯周病の進行を防ぎます。ルートプレーニングは、1週間に2回を目安に、数度にわけて行い、一定期間をおいてから再検査を行い、歯石や汚れの付着状態や症状の改善のチェックを行います。
歯周外科
歯周病が中等度以上に進行している場合には、基本治療であるスケーリング・ルートプレーニングだけでは完全に歯周ポケットがなくならないこともあります。スケーリング・ルートプレーニングを行うことにより、歯肉の炎症状態は非常に良く改善していくことが多いですが、ハミガキが出来ない歯周ポケットが残る形態になっている場合もあります。この状態を放置すると、歯周ポケットの中で細菌が増殖しはじめ、歯周病が再発します。そのため、「歯周外科」が必要になってきます。
歯肉剥離掻爬(しにくはくりそうは)術=フラップ手術
基本治療で改善しない場合には、麻酔を行い、「歯肉剥離掻爬術(フラップ手術)」を行います。
スケーリング・ルートプレーニング、歯周ポケット掻爬術のような、歯ぐきの中に器具を入れて行う暗視下での処置には限界がありますが、歯肉剥離掻爬術では、歯ぐきを切り開いての処置となりますので、直接肉眼で確認しながら患部を取り除くことができます。
YAGレーザー治療の場合
エルビウムヤグレーザーは、歯科用レーザーの中で唯一、硬組織を削ることが認可されているレーザーであり、さらに患者様への負担が少ないため、「もっとも人にやさしい歯科用レーザー」と言われています。エルビウムヤグレーザーは、表面組織の水分に反応し蒸散するため発熱が少なく、痛みが少ないのが特徴です。表面にのみに作用するため、レーザーの熱が組織の深部へと影響することも少ないです。これまで、痛みやタービンの不快な音が苦手で不安を感じていた人も、安心して治療を受けていただくことができます。
歯周ポケット掻爬術(そうはじゅつ)
歯周ポケット掻爬術とは、麻酔を歯ぐきに行ったうえで、セメント質(歯根の表層)に付着した汚れや、歯周ポケット(歯茎の深い溝)内壁の感染した組織を取り除く治療です。外科手術に分類されますが、スケーリング・ルートプレーニングと同様の器具で施術します。
歯槽骨整形術
歯周病(歯槽膿漏)の影響によって、歯槽骨(歯を支える骨)が部分的に痩せてしまい、骨の形がデコボコになってしまうことがあります。そのままの状態ではプラークが停滞しやすく、歯周病がさらに進みやすくなる場合があり、それを改善させる一つの方法に歯槽骨整形術があります。歯槽骨を部分的に削って凹凸を無くすため、汚れが溜まりにくい状態にさせることができます。
GTR法(歯周組織誘導法)
部分的に顎の骨が痩せてしまった場合の治療法には、エムドゲインの他に歯周組織誘導法(GTR法)があります。
患者様の血液からメンブレンを作り、再生させたい骨の部分にそれを置くことで、歯茎が入り込むのを防ぎながら骨の再生を促すという方法です。
エムドゲイン法(エムドゲイン組織再生療法)
顎の骨は再生する力をもっていますが、歯茎の治るスピードの方が早く、骨が再生する前に凹んだ部分へ歯茎が入り込んでしまいます。そこで、再生させたい骨の部分に「エムドゲインジェル」を投与し、歯茎が入り込むのを防ぎながら骨の再生を促すという方法です。塗ったエムドゲインジェルは、 歯根の表面に2~4週間とどまり、やがて吸収されます。
定期メンテナンス
歯周病は治療が終わったからと言って、もうなにもしなくても大丈夫という病気ではありません。治療後、歯周病を再度進行させないように維持していく必要があります。でなければ、せっかくの治療が無駄になってしまう可能性が大きくなります。定期メインテナンスは、治療によって改善したお口の中の状態を、悪化させないように維持していくために必要不可欠です。高松歯科医院では、この「定期メインテナンス」を受けることをおすすめさせていただいております。