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予防歯科・メインテナンス

歯の健康は体の健康とつながっています

歯が失われたことがきっかけでドミノ倒しのように健康を失うことがある

「すべての疾患はお口の健康が失われる事によって始まる」という考え方に基づいた、脳卒中・心不全等の発症に至るまでの連鎖の概念を「メタボリックドミノ」といいます。疾患の連鎖を川の流れに例えると、健康を損なう前は川の上流と考えることができます。そしてメタボリックシンドロームなどの生活習慣病、脳卒中や心不全、糖尿病などあらゆる病気の原因を上流へさかのぼると、歯の健康に辿り着くとされています。
上流に近いタイミングで治療すると、失われる健康を食い止められる可能性が高いですが、下流になればなるほど食い止めるのは困難になり、ドミノ出来るだけ上流で止める事が大切であると提唱されています。

歯が健康な人ほど年間の医療費が少ない

香川県医師会の「歯の健康と医療費調査」によれば、お口の健康な人ほど医療費が少ないという事が分かっています。香川県医師会では毎年40歳以上の人を対象としたお口の健康と医療費に関する調査を行っています。
最新の調査では歯の本数が20本以上あった人に比べて、歯が0~4本の人は年間の医療費が約190,000円高かったという結果が出ています。報告書では残存歯数や歯周炎の程度を良好な状態に保つ、つまり歯の健康を守ることで全身の健康を守り、結果とし歯科診療費や医療費を削減につながると示唆されています。

残存歯数別年間医科診療費

※香川県歯科医師会「平成25年度香川県歯の健康と医療費に関する実態調査より」

予防歯科を始めよう

健康 60歳未満VS70歳以上でこんなに違う

55〜59歳
  1. スポーツなどで体を鍛えればよかった
  2. 日頃からよく歩けばよかった
  3. 歯の定期健診を受ければよかった
  4. 腹八分目を守り、暴飲暴食を
    しなければよかった
  5. 肌の手入れをすればよかった

70歳以上と比べて目立つのは、スポーツをする、肌の手入れをするなど、体調よりも容姿を気にしている点。まだまだ体の衰えは感じていないという事でしょうか。

70〜74歳
  1. 歯の定期健診を受ければよかった
  2. 日頃からよく歩けばよかった
  3. スポーツなどで体を鍛えればよかった
  4. なんでも相談できる医師を
    見つけておけばよかった
  5. 地域の福祉サービスについて
    学んでおけばよかった

歯の後悔はこの層がダントツ。やはり年齢を重ねるほどに、歯の問題は深刻になるようです。福祉サービスが17位と、介護について真剣に悩み始めるのもこの層。

引用:シニア1000人調査 PRESIDENT 2012年11月12日号
gooリサーチとプレジデント編集部の共同調査により、「人生の振り返り」に関するアンケートを行った。
2012年9月25日から27日まで実施し、55~74歳の男女1060人の回答を得た。男女比は約7:3。

高齢になった時の残存歯数

0歳のときの残存歯の数は、日本人の場合は10本程度となっています。それに対して欧米では、日本の倍である20本程度の歯が残っています。この違いはどこからくるのでしょうか。
それは「予防」に対する意識、「定期メインテナンス」を受けているかどうかにあります。日本では「痛くなったら歯医者へ行く」というのが一般的です。それに対して欧米では「痛くならないように定期的に歯医者に通う」という考え方なのです。

  • 先進国の70歳の残存歯数
  • 各国の定期的に歯科検診・クリーニングを受けている人の割合

むし歯・歯周病の原因の大きな要素に「バイオフィルム」があります

むし歯、歯周病の原因の大きな要素に、「バイオフィルム」があります。バイオフィルム(菌膜)とは、微生物により形成されるヌメヌメとした膜状の構造体のことで、身近なものとして、プラーク(歯垢)や台所のヌメリなどがあります。口腔二大疾患であるむし歯と歯周病は、共にバイオフィルム感染症です。

このため、「予防」「治療」「予後」、どの場面でも、抗生物質の効かない厄介なバイオフィルムにどう対処するかが大きな課題となっています。そして、このバイオフィルム内の細菌が酸を産生して、むし歯をつくり、毒素を産生して、歯周組織を破壊していきます。 厚生労働省のホームページには、以下ように述べられています。

歯周病は気づかないうちに、静かに進行していく「沈黙の病」です。

歯周病は、「沈黙の病」と言われており、気づかないうちに静かに進行していき、いつの間にか取り返しのつかない状況にまで悪化してしまう恐ろしい病気です。あなたご自身も、歯周病にかかっているということに気づかず、わかった時にはもう抜歯するしかないほど深刻な状況に陥ってしまうということも当然あり得る話なのです。

こんな症状あてはまりませんか?
  • 臭がきつくなったように感じる
  • 歯が長く見えるようになった
  • ・口の中がネバついた感じになる
  • ・歯と歯の間に物が挟まりやすくなった
  • 歯茎が腫れている
  • 歯茎にかゆみを感じることがある
  • ・歯茎の色が赤いor紫色に変色している
  • ・歯磨きで歯茎から出血してしまうことがある
  • ・硬いものを噛むと歯が痛む
  • 歯がグラグラするようになった

専門家による支援と定期管理

う蝕(むし歯)および歯周病の原因となる歯垢の除去は、歯の形態や歯列の状況などから、自己管理のみで完全に行うことは困難である。そのため、これらの疾患を予防し、実際に歯の喪失防止に結びつけるためには、自己管理に加えて、専門家による歯石除去や歯面清掃、予防処置を併せて行うことが重要である。

実際に、歯科医師、歯科衛生士による適切な予防処置(フッ化物応用、予防填塞(フィッシャーシーラント)、歯石除去や歯面清掃 等のプロフェッショナルケア)を組み合わせて行うことがう蝕(むし歯)および歯周病を予防し、歯の喪失を減少するのに有効であることが、多くの研究から明らかにされている 。

そのため、検診による早期発見・早期治療に加え、疾患の発症を予防する一次予防がより重要であることを広く認識して、個人の口腔健康管理を専門的立場から実施あるいは支援する保健所・市町村保健センターやかかりつけ歯科医等の歯科保健医療機関(専門家)を活用し、定期的に歯科健康診査・保健指導や予防処置を受ける習慣を確立することが必要である。また、その為の環境整備として歯科保健相談や予防処置等の予防活動を行う歯科医療機関等を増加させていく必要がある。

(※厚生労働省ホームページより)

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